晴れた朝がグッと寒い理由|放射冷却が腰痛・首痛を悪化させるメカニズム

晴れた朝がグッと寒い理由|放射冷却が腰痛・首痛を悪化させるメカニズム

① はじめに:冬の朝の“刺さる寒さ”の正体

晴れているのに、朝だけ妙に冷える——
この現象は 「放射冷却」 と呼ばれ、身体の痛みや不調と深く関係します。
特に冬は、患者さんから「朝の腰痛がつらい」という声が増えます。


② 放射冷却とは?(わかりやすく)

夜になると地面や建物の熱は宇宙に向かって放射されます。
これが 雲に遮られずに放出されるのが『放射冷却』 です。

  • 晴れ

  • 乾燥

  • 風が弱い

この条件が揃うと強くなり、最低気温は日の出直前 に出ます。


③ 放射冷却が身体に与える影響

● 血管が縮む

寒さで末梢血管が収縮し、筋肉に届く血流が低下。

● 自律神経が交感神経優位

寒さ=ストレス刺激になり、筋肉の緊張が高まる。

● 筋肉が物理的に硬くなる

低温で筋肉の粘性が増し、「冷えたゴム」のように伸びにくくなる。

腰痛・首痛が朝に強く出る原因。


④ 冬に“朝のギックリ腰”が増える理由

朝の気温が最も低く、筋肉と関節が固まっているため、

  • 洗顔の前屈

  • 靴下を履く動作

  • 車の乗り降り
    などの前かがみで負担が集中しやすく、ギックリ腰のリスクが一気に上がります。


⑤ 放射冷却の朝にできる対策

  • 起きる前に布団の中で腰を軽く動かす

  • いきなり前屈しない

  • 深呼吸で交感神経を落ち着かせる

  • 寒い日は腰・お腹を温めてから動く

簡単な工夫ですが、痛みの予防にとても有効です。


⑥ まとめ

晴れた翌朝の“刺すような寒さ”は放射冷却が原因。
そしてその冷え込みは、身体の痛みやギックリ腰のリスクを高めます。
冬の朝は特に慎重に動き出すことで、トラブルを大きく減らせます。

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